ifとwhen: 仮定のニュアンスの違い
2016.08.29
英語で「仮定」を表現するつもりで接続詞の if を使ったら、ネイティブの人にその場合は if ではなく when を使うべきだと言われたことはありませんか?
If は「もし〜」と仮定を表すときに使う接続詞で、when は「〜のとき」と時間を表すときに使う接続詞です。
しかし日本人と英語圏の人では、時間や未来に対する考え方が微妙に違うので、その差異が顕著に現れるときがあります。
それでは、下のふたつのセンテンスを読み比べてください。
① We can hit the road when Michael shows up.
② We can hit the road if Michal shows up.
では、ここで問題です。「マイケルが来たら出発できる」と意訳できるのは、①と②のどちらでしょうか?
まずは①を見てみましょう。①を直訳すると、「マイケルが来たときに私たちは出発できる」になります。ニュアンスとしては、マイケルが来ることは予定として確定しており、どちらかといえば、マイケルが来ることに対する期待は高いと言えます。
一方で②を直訳すると、「もしマイケルが来れば私たちは出発できる」になります。ニュアンスとしては、マイケルが来ることは必ずしも確かではなく、どちらかといえば、マイケルが来ることに対する期待が高いとは言えません。
では、「マイケルが来たら出発できる」と意訳できるのは、①と②のどちらでしょうか?答えは両方ですが、①がより日本的なニュアンスに近いのではないでしょうか。なぜなら日本人が「マイケルが来たら出発できる」と言うときは、ニュアンスとして、みんなでマイケルを待っている感じであり、本人が来ることに対する期待は高いからです。
では、もうひとつ例を見てみましょう。
③ Let me know when you’re done eating.
④ Let me know if you’re done eating.
③を直訳すれば、「食べ終わったときに私に知らせてください」になります。ニュアンスとしては、「君」がいつか食べ終わることを分かっている状態です。
④を直訳すれば、「もし食べ終わっているのであれば私に知らせてください」になります。ニュアンスとしては、「君」がまだ食べているのか、食べていないのか分からない状態です。
ここで問題です。「食べ終わったら言ってね」と意訳できるのは③と④のどちらでしょうか?
答えは両方ですが、より日本語の意味に近いのは③だと言えます。なぜなら「いつか食べ終わるだろう」という前提でそう言っているからです。つまり、かなり確かな未来に対しても日本人は仮定的表現を使いますが、英語圏の人がかなり確かな未来について述べるときは when を使うのです。
これは特殊例なので、ふだんの英会話でここまで深く考える必要はありませんが、もしピンときたら if ではなく when を使ってください。
Category:コラム:オーパス通信,単語の使い方