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トランプがメキシコに20%の輸入課税をしない理由

1000円する商品を買いたい。でも、できれば300円まけてもらって、700円で買いたい・・・

そう思ったら、あなたはどうしますか?店員に「この商品700円でください」と単刀直入に言いますか?

強気な人なら商品に色々とケチをつけて、「この商品には400円しか出せない」と言います。そうすれば店員は反論して値段を上げようとします。

こうして上手く交渉する事ができたら、合意点として700円に落ち着くことができます。

トランプが世界に対して行おうとしているのは、これと同じことです。トランプが「メキシコに20%の輸入課税をする」と言っているのは、強気の交渉なのです。過激な要求をしてから歩み寄ることで、アメリカにとってより有利な合意点を作り出そうとしているのです。

トランプにしてみれば「メキシコに20%の輸入課税をする」というのは、前述の例で言えば「1000円の商品を400円で買わせろ」と言っていることと同じです。

トランプはメキシコからの輸入品に課税することが、アメリカ経済に打撃を与えることは当然知っています。トランプが本当に「20%の輸入課税をかける」と思っている人は、すでにトランプの交渉術にひっかかっているのです。なぜならトランプが本気だと信じてしまっているからです。

見方によっては「大統領ともあろうものが嘘をついているのか」と思うかもしれません。そのためトランプの側近はこの事について言葉を選んでいます。「20%の輸入課税」をone of the possibilities (可能性のうちの一つ)と表現しています。

これから様々な二国間交渉の場で、トランプは同じ事をするはずです。しかし、トランプ・チームはそのテクニックを見破られないようにするため、常にしている事があります。それは、次から次へとニュースを作り出して情報の流れをコントロールする事です。

新政権が誕生してから、

・大統領就任式に訪れた人数の誇張

・首席戦略官スティーブ・バノンのメディアに対する「黙れ」発言

・中東・アフリカ七カ国を対象にした一時的入国禁止令

・国家安全保障会議の新メンバーとしてバノンが加入

とトランプ・チームは次々に波紋を呼ぶアクションを起こしています。全てニュースとして取り上げるには時間が足りません。

去年を思い出してみてください。トランプは選挙運動中にも様々な問題を起こしましたが、その数があまりに多すぎてメディアも視聴者も忘れてしまった事が山ほどあります。

これからも同じ事が起こるはずです。トランプがハイスピードでどんどん行動していくため、批判する事があまりに多すぎて、先が読めなくなるのです。そうなるとトランプの交渉テクニックもばれません。

日本がトランプと互角に交渉するための方法は一つです。日本側もアメリカがびっくりするような要求をすればいいのです。そうすれば相手に揺さぶりをかける事ができて、受け身の交渉にならずにすみます。

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