英会話のマスターはライティングから|神戸 オーパス英語学院

Spreading the Wordコラム:オーパス通信

コラム:オーパス通信 TOP > ツイッターはトランプの最強兵器:トランプのツイートはなぜ武器になるのか

ツイッターはトランプの最強兵器:トランプのツイートはなぜ武器になるのか

trump

今月22日からアメリカ大統領になるドナルド・トランプ。彼のツイッターを読むと、まるでトランプが感情をコントロールできない狂人にように見えてしまうかもしれません。しかし、本当にそうなのでしょうか。

実のところ、ツイートは全てトランプ本人が行なっているわけではありません。トランプのスマホはサムソンのギャラクシーですが、iPhone からもツイートされているのが確認されています。

ある解析によれば、ネガティブな発言はトランプ本人によるツイートである一方、リンクや画像付きのツイートは彼のスタッフがiPhoneからツイートしている可能性が高いそうです。

あらかじめ用意されているツイート

トランプ陣営のネット戦略を担当したブラッド・パスケールは、トランプの代わりにツイートすることのできる数少ない人間の一人。ブルームバーグが取材したとき、パスケールのパソコンのダッシュボードには、トランプによる事前承認済みのツイート文が400候補も表示されていたそうです。

去年、ヒラリーとの大統領候補討論会の最中にも、トランプのツイッターは更新されていたことが話題になりましたが、これはパスケールが本人の代わりにツイートしていたのです。

トランプのツイートはネガティブな内容が殆どなので、まるで思いのままにツイッターで口撃しているように見えます。しかし、事前に書かれているツイート文があることを見てもわかるように、トランプなりの意図や計画性があることが読み取れます。

トランプは本当に怒りを抑えられないのか?

また、トランプには自制心が全くないわけではありません。もしもトランプが本当に感情をコントロールできない人間なのなら、昨年のある攻撃に対して怒り狂っていたはずです。

去年11月、トランプの宿敵である女性コメディアン ロージー・オドネルは、トランプの息子バロンが自閉症だと主張する動画をツイッターで紹介し、その憶測映像は彼女のフォロワーによって拡散されました。

が、売られた喧嘩を必ず買うように思えるトランプは、意外にも応戦しませんでした。その代わり妻のメラニアが訴訟の可能性を示唆したのです。ロージーは謝罪しました。

いくら品のないトランプでも、子供を攻撃するロージーを相手にする価値はなかったのかもしれません。ただ、メラニアに対応を任せたのは、おそらくトランプに比べて存在感に欠けるメラニアを、「息子を守る強い母親」と演出する目的もあったはずです。

このエピソードを見てもわかるように、トランプは自分をコントロールできるのです。そもそも感情を制御できない人が、不動産王になれるでしょうか。

国民の目を逸らすのがトランプ砲

トランプは自分を有利にポジショニングするために、これからもツイッターを活用していくはずです。

まず、ツイッターを使えば、自分にとって不利な報道しか行わないメディアを介することなく、有権者や支持者に対して直接メッセージを伝えることができます。

さらにツイッターを利用すれば、自分にとってマイナスなニュースが流れたときに、あえて過激ツイートや問題ツイートをすることで、みんなの注意を逸らすことができます。

例えば、いま問題になっているのがロシアによるアメリカ大統領選挙介入です。しかし、トランプはなにをしたでしょうか?メキシコに工場を作ろうとしているトヨタをツイッターで口撃し、もともと自分が司会をしていたテレビ番組の後釜であるアーノルド・シュワルツェネッガーも餌食にしました。

このようにトランプが「ネタ」になりそうなことをすると、メディアは取り上げざるを得なくなるため、ロシアによる選挙介入という深刻な問題に対して割り当てるオンエア時間や文字数が減るのです。

ゴールデン・グローブの受賞式でメリル・ストリープがトランプを批判したのも、トランプにとってはプラスでした。トランプが娘婿のジェレッド・クシュナーを側近に指名することが縁故採用反対法に抵触する可能性があるとして問題視されるなか、メディアはメリル・ストリープのスピーチとトランプの反論ツイートの「ネタ」で大騒ぎです。これからアメリカ国民の記憶に残るのは、娘婿の起用よりも、メリル・ストリープに対する口撃でしょう。

ツイッターでワシントンの政治家も手玉に

トランプが操っているのはメディアだけではありません。トランプはツイッターでワシントンの政治家も翻弄しています。

ワシントンは人脈が全てであり、根回しやコネが大事です。政治家なら先のことを考え、これから何が起きるのか予期することも重要です。

しかし、ワシントンでトランプとのパイプを持っている人は少ないため、先行きが誰にも読めないのです。

また、トランプは自分の陣営内でも競争を促し、意図的に混沌とした現場を作ることを好みます。そうして様々な情報が錯綜するため、政治記者は裏どりをするのも苦労します。

そんなカオスのなかでトランプはどこまで本気なのかわからないような過激ツイートをするので、ワシントンの政治家たちは先を読んで行動することができなくなるのです。

ツイッターは外交武器になる

こうして意図的に不確実性を生み、真の狙いを読めないようにすることは、取引をする上で有利にはたらきます。トランプは外交においても間違いなくツイッターを活用するはずです。

この先、日本との交渉が近づけば、日本の政府や企業に対しても挑発ツイートを放つでしょう。それを真に受けてメディアが騒げば騒ぐほど情報が錯綜し、トランプとのパイプのない政府が混乱することで、交渉に不利な状況が生まれます。本当に自制が必要なのはメディアかもしれません。

 

LINEで送る

Category:コラム:オーパス通信,政治・文化