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コラム:オーパス通信

Spreading the Word

四年生レベルの英語。ならわかるでしょ!

2016.06.23

大統領候補であるドナルド・トランプは、アメリカの小学四年生レベルの話し方をしていると言われています。ただ、四年生レベルの語彙と文法を使っているからと言って、彼がバカだというわけではありません。

若いころに父親から100万ドルのローンを授かって不動産のキャリアをスタートさせ、今では40億ドルの資産を持つまで成長したトランプは、ビジネスマンとしては間違いなく有能です。もともと裕福だったとはいえ、どう考えても賢くないとそこまでの成功は無理でしょう。

また、彼は過激な発言が目立つので、crazy と呼ばれることがありますが、クレージーな人に仕事がつとまるでしょうか。ディベートからは短気な性格も確かに伺えますが、仮に大統領になったとしても、急に怒り狂って核ミサイルのボタンを押すようなことはないはずです。

トランプの話し方は人を惹きつける

話をもとに戻しましょう。トランプの話し方は嘲笑される一方で、実は支持者を集める武器になっています。彼の話し方のどこまでが意図的なのかはわかりませんが、小学生レベルの話し方をするメリットは、あらゆる年齢層や社会層にメッセージが伝わることです。

日本語には従属接続詞の概念がないので、難しい英文法を使わないことのメリットが伝わりにくいかもしれませんが、とにかく言っていることや考えていることがわかりやすいという点では、小泉首相のワンフレーズ・ポリティクスと似ているかもしれません。

トランプの話を実際に聞けばわかりますが、彼は同じ言葉や類語を何回も使いながら、非常にシンプルなロジックで話をすすめます。アメリカの抱える問題を列挙して恐怖や憎悪を煽っては、国際ビジネスマンである自分だけしかそれらを解決することはできない!と主張するのが彼の常套手段です。

トランプの脅迫外交

ちなみに私はトランプを支持しているわけではありませんが、彼の英語を自分の耳で聞くのは良い勉強になるはずです。下の映像は、日本について話しているクリップなので見てみましょう。


聞き取れましたか?彼の話をまとめると、アメリカは日本、韓国、ドイツ、サウジアラビアなどの国々を、北朝鮮などの脅威から軍事的に守っているから借金が膨れ上がっている。だからそれらの国から防衛費を払い戻し(reimburse)てもらわないといけない。そしてその交渉を成功させるためには、たとえば日本から米軍を本気で撤退させる気があることを、彼ら(日本人)に理解させないといけない。もちろん核保有国の増加はできるかぎり避けたいが、もしも交渉が決裂したら、彼らは自力で自分たちの国を守らないといけない。だからそうなれば、日本や韓国などが核武装しても仕方ないだろう・・・というロジックです。




トランプの発言は、センセーショナルに「日本の核武装支持」のような報道をされていますが、一応はもっと細かいニュアンスがあったのはこれでおわかりかと思います。

彼は「メキシコに国境の壁を作らせる」という発言をしたことでも有名です。そんなこと不可能だ!と誰もが思いましたが、アメリカからメキシコに送金されるお金(多くは密入国者からの仕送り)の流れを大統領命令でブロックしない代わりに、メキシコに作らせる、という具体的な方法も発表しています。

いずれにせよ、日本に対する案も、メキシコに対する案もはっきり言って脅迫です。ただ、米国が行ってきた数々の戦争を考えてみれば、アメリカ外交としてさほど珍しいことでもないかもしれません。

新自由主義には反対のトランプ

トランプの意外な一面は、反・新自由主義の立場をとっているところです。大きな大義や思想をもっているようには思えませんが、反 NAFTA 的発言をしていますし、イギリスのEU離脱も支持しています。これは新しい政治的潮流の誕生かもしれません。

彼は数え切れないほどのトラブルに見舞われていますが、彼の政治運動はそう簡単には終わらないでしょう。とくにアメリカ人は Underdog(勝ち目のなさそうな人)が大好きなので、これから逆転劇を演じることも十分ありえます。ただ一つ言えることは、トランプが大統領になってもならなくても、いま世界は新しい時代に突入しているのではないでしょうか。

Category:コラム:オーパス通信,政治・文化

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