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マイロの講演を中止に追い込んだデモ事件が意味することとは?

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カリフォルニアはリベラルな州として有名です。カリフォルニアの選挙人団を獲得することを最初から諦めていたトランプが、予備選挙後に加州を一度も訪れず、一銭もお金を使わなかったことはよく知られています。

そんなカリフォルニアに点在する街の中でも、サンフランシスコやバークレーのあるベイエリアは特にリベラルです。60年代や70年代にはヘイト・アシュベリーでヒッピー文化が栄え、ゲイの街カストロは現在も自由で活気に溢れています。

ベイエリアに住むのは生粋のカリフォルニアンだけではありません。保守色の強い地方から移住してきた人たちも勿論います。彼らの中には自分の出身地に住む人たちを見下し、憎む人たちも少なくありません。

ベイエリアには大企業を嫌うメンタリティーもあります。その例としてサンフランシスコにはスーパーマーケット・チェーンとして有名なウォールマートが1つもありません。サンフランシスコ市民が阻止しているからです。また、シリコンバレーのおかげでサンフランシスコの経済が潤う一方で、富裕層の流入で土地の価格が高騰し、中間層が住みにくくなっているため、IT 産業のことを良く思っていない人たちも沢山います。

ベイエリアにはそんな独自の左寄りの風潮や文化があり、多くの人は不動産王トランプが大統領として選ばれたことに強いショックを受けています。これに便乗してカリフォルニアを独立に導こうと画策しているYes Californiaという運動もあるほどです。カリフォルニアが合衆国から離脱すれば、世界で6番目に大きな経済になります。

一方でアメリカの保守派にしてみれば、バークレーという場所、とくに U.C. バークレーのキャンパスは敵陣の中心地です。そんなリベラルの牙城に乗り込んだブライトバートの編集長マイロ・ヤノプルス。彼を支持するにせよ、支持しないにせよ、アメリカの大学をまわって炎上覚悟(目的?)の講演をしているマイロの「言論の自由」に対するコミットメントはリスペクトすべきではないでしょうか。

大統領就任式と同じ日に行われたシアトルでの大学講演では、予想通り学生による抗議活動が行われ、発砲事件まで発生しましたが、マイロは the show should go on と言って講演を行いました。

*当初マイロのファンが抗議デモによって銃撃された、という誤情報が流れましたが、実際にはマイロのファンが自衛のために発砲したようです。

マイロの数々の主張は、過去にコラムで紹介しています。彼の主張にはディベートで対抗すべきですが、一部リベラルは発言の機会を与えることさえ危険だと訴えます。これはヘイトスピーチだと。

マイロは2月1日に U.C. バークレーで講演する予定でした。しかし、抗議デモは暴動に発展したため中止に追い込まれました。

しかし、今回のデモはバークレーらしくありません。近年のバークレーの抗議活動といえば、キャンパス内の木を伐採から守るために妨害したり、男女ヌードになったりする程度のものです。

実際、今のところ逮捕されている3人はバークレーの生徒ではありません。今回の暴動にU.C.バークレーの生徒がどこまで加担しているかはわかりませんが、おそらく少ないのではないでしょうか。

バークレーの近くにあるオークランドという街では2010年に人種問題が引き金となって暴動が起きています。この時に逮捕された152人のうち56人が、オークランド市民ではないことが判明しています。

真実がどうであれ、注目すべきなのは、マイロのような保守派に抗議デモをするだけでなく、発言の場を与えないように働きかけているリベラルが存在することです。別の表現をすれば、リベラルが発言の自由を脅かしていることになります。

そのため保守ではなく、リベラルこそが、アメリカの精神の根幹である「発言の自由」を脅かしている、というナラティブがネットを中心にアメリカで浸透しつつあります。

仮に暴動を起こしたのがバークレーの生徒でなくても、人々の記憶に残るのは「リベラルな大学でマイロの講演が暴動によって中止に追いやられた」という印象です。これからリベラルの立場はさらに劣勢になるでしょう。

案の定、今回の事件を受けてトランプは、公立大学である U.C. バークレーに対して「政府からの資金援助を打ち切ろうか?」と脅しのツイートを放っています。

ちなみにトランプの側近のステイーブ・バノンはブライトバートの元トップです。つまり、ブライトバートの編集長であるマイロの元上司というわけです。

アメリカの保守とリベラルの戦いはこれからも目が離せません。

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Category:コラム:オーパス通信,政治・文化