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「ワンダーウーマン」の予告編を見て、英会話の力を上げよう

今回ご紹介するのは、スーパーヒーロー映画「ワンダーウーマン」の予告編です。ワンダーウーマンは「バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生」(以下 BVS )に登場した女性戦士。今作は、彼女のソロ主演作です。

ワンダーウーマンは大きな注目を浴びています。この夏に公開された予告編は、DC コミックス版アベンジャーズと呼べる「ジャスティス・リーグ」のそれよりも YouTube で多くの再生回数を獲得しました。

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また、先月には国連によって「女性と女子のエンパワーメントのための国連名誉大使」にも任命されています。当然、肩を露出したスタイル抜群の架空の白人女性を選んだことは非難されましたが。

ワンダーウーマンは成功するか?

個人的にはワンダーウーマンの成功を願っています。というのも、アメリカの批評家はこれまで BVS に対しても、BVS 以降の世界を描いた「スーサイド・スクワッド」に対しても、不公平と思えるほど厳しい評価を下してきたからです。

ぜひワーナー・ブラザースと DC コミックスには、「ワンダーウーマン」で巻き返しを図ってほしいのですが、決してハードルは低くありません。なぜならこれまで女性スーパーヒーロー映画が成功した前例がないからです。

女性主演の SF アクション映画の成功例ならいくらでもあります。最近では、ミラ・ジョボビッチ主演の「バイオハザード」シリーズや、ジェニファー・ローレンス主演の「ハンガーゲーム」シリーズが挙げられます。

しかし、過去に女性スーパーヒーロー漫画キャラの IP(知的財産)をつかってヒットに繋がった、ソロ主演作の事例はありません。ハル・ベリー主演の「キャットウーマン」(2004)も、ジェニファー・ガーナー主演の「エレクトラ」(2005)も、批評的にも興行的にも不発でした。

ちなみに2011年にはワンダーウーマンの TV シリーズが制作されましたが、お蔵入りになっています。

ワンダーウーマンの期待要素とは?

が、今度のワンダーウーマンには期待要素が幾つかあります。まず監督のパティ・ジェンキンスが女性である点です。ジェンキンスは、シャーリーズ・セロン演じるレズビアンの殺人鬼を描いた実話映画「モンスター」の監督として有名です。

やはり女性スーパーヒーローは肌の露出した衣装が多く、漫画ならデフォルメされているがゆえ、コスチューム・デザインの非現実性があまり気にならなくても、実写化したとたん水着のような不自然なルックスになってしまいます。

そのため男性が監督すると、どうしてもお色気路線に走ってしまいがちです。しかし、女性監督ならそのような落とし穴に陥ることはないはずです。




また、ワンダーウーマンを演じるガル・ゴドットが、これまでの女優とは一線を画しています。ゴドットは2004年のミス・イスラエルであるだけでなく、元兵士です。イスラエルには男女ともに徴兵制があるため、彼女は18ヶ月の兵役を経験しています。

2014年には、フェイスブックでハマースのことを「cowards」(腰抜け)と呼んで話題になりました。シオニストと揶揄されても全然気にしていないようです。

「強さと美しさを兼ね備えた女優」という表現は安易に使われていますが、一児の母でもある彼女こそその言葉がふさわしいでしょう。

ワンダーウーマンは女性に支持されるのか?

スーパーヒーロー映画が好きな男性なら、主人公が女性であろうと抵抗なく劇場に足を運ぶと思います。したがってワンダーウーマンが大ヒットするかどうかは、女性の支持の可否にかかっているのではないでしょうか。

やはり女性の支持を得るには、キャラクターに共感できるかがポイントのひとつになると思いますが、興味深いのはジェンキンス監督のコメントです。

“I, as a woman, want Wonder Woman to be hot as hell, fight badass, and look great at the same time—the same way men want Superman to have huge pecs and an impractically big body. That makes them feel like the hero they want to be. And my hero, in my head, has really long legs.”

「私は女として、ワンダーウーマンにはものすごくホットになってほしいし、カッコよく戦ってほしいし、それと同時に素晴らしい見栄えになってほしいです  スーパーマンが巨大な胸筋と非実際的に大きな体の持ち主であってほしいと男性が思うのと同じように。それが、彼らがなりたいと思っているヒーローのように感じさせるのです。そして私のヒーローは  私の頭の中では  足がとても長いのです。」

つまり、男性の理想がスーパーマンのような肉体であるのに対して、女性の理想はワンダーウーマンのような長脚であると、ジェンキンス監督は言っています。

個人的には少女漫画的発想だと思いましたが、このようなタイプの映画が本来取り込むべき女性の客層は、少年漫画を好むタイプの女性ではないでしょうか。そう考えると、ジェンキンス監督の美的感覚が、そのような層の共感を得ることができるのか若干心配なところです。

そろそろ英語の勉強をしましょうか・・・

ただ、予告編を見ればわかるように、あるゆる客層が楽しめるように、ストーリーに工夫が施されているのが伺えます。2:27 から始まる英会話をリスニングしてセリフを聞き取ってください。

聞き取れましたか?二人はこう言いました。

Etta Candy:                  It’s Etta Candy. I’m Steve Travers’ secretary.

Wonder Woman:         What is a secretary?

Etta Candy:                  I go where he tells me to go, and do what he tells me to do.

Wonder Woman:         Well, where I’m from that’s called slavery.

Etta Candy:                  I really like her.

つまり、エタ・キャンディーはクリス・パイン(スタートレック)演じるスティーブ・トラバースの秘書なわけですが、ワンダーウーマンは secretary という言葉を知りません。故郷にそのような役職がないからです。

そこで彼女はエタから“秘書”の意味を聞くわけですが、「行けと言われた所に行って、やれと言われたことをやる」のが秘書のすることという説明を受けます。ワンダーウーマンはそれを聞いて、「自分の出身地では考えられない。まるで奴隷ですね」という旨のコメントをしたのです。

「ワンダーウーマン」の時代設定は第一次世界大戦期であり、女性の労働参入が著しく限られていた時代です。このセリフが面白いのは、男尊女卑の愚かさを笑いにしている点にあります。

北欧の神「ソー」役で有名なクリス・ヘムズワースを、能無しブロンド秘書にしたリメイク版「ゴーストバスターズ」の嫌味なアプローチとは大きく違うと言えます。

ワンダーウーマンのトンデモ設定

ワンダーウーマンは、ギリシャ神話に登場するアマゾン族の demigoddess(半神半人)です。また、彼女が住む Themiscyra(セミスセラ)は、ワンダーウーマンと同じ女性の半神半人だけが住む島という設定です。

予告編の冒頭で(おそらく)Themiscyra 島に漂着したスティーブを見たワンダーウーマンが、「You’re a man」と言って驚くのは、生まれて初めて男を目にしたからでしょう。そしてワンダーウーマンは、何らかの理由でスティーブとともに人間の世界に足を踏み入れるのです。

そうして女だけのフェミニスト的世界を飛び出し、男尊女卑のある人間の世界に飛び込むことで、前述のような笑いの要素が生まれることが予想されます。

このようなタイプのコメディは、fish out of water と呼ばれます。たとえば、エディ・マーフィ主演の「星の王子 ニューヨークへ行く」は典型的な fish out of water 映画です。アフリカの王子が、ニューヨークでいろいろなカルチャーショックに遭いながら成長するなかで笑いが起きるのです。

まだまだ先ですが、「ワンダーウーマン」は来年の夏公開です。また、来年冬には「ジャスティス・リーグ」にもワンダーウーマンは出演します。興味のある方は、まず「バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生」のチェックをお勧めします。

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