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コラム:オーパス通信

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ジョニー・キャッシュのHurtを聞いて、リスニングの力を試そう

2017.02.01

X-men のスピンオフとして始まったウルヴァリン・シリーズ。その最新作である「ローガン」の予告編をご覧になった方なら、バックに流れている曲が気になったかもしれません。


このコラムでは英語力アップを目的に洋画の英語版予告編を紹介・解説してきましたが、今回は趣向を変えて「ローガン」の予告編で流れていたジョニー・キャッシュの名曲「Hurt」を紹介したいと思います。

「Hurt」の素晴らしさを理解するには、まずジョニー・キャッシュが誰なのか知る必要があります。ジョニー・キャッシュは、本国アメリカではロックの元祖エルビス・プレスリーと同じくらい有名かつ重要なカントリー歌手です。

日本では洋楽やロックが好きでも、「カントリーはちょっと・・・」と思っている方が多いと思います。しかし、音やトラックばかりに注目するのではなく、リリックを中心に考えれば、ロックもカントリーもラップもはっきり言って全部同じです。なぜなら英語の歌詞は基本的にライムするからです。つまり、韻を踏みます。そのため、歌詞の構造はすべて同じだと思って楽しめば、ジャンルに大差はありません。

ジョニー・キャッシュは他のカントリー歌手と違って、アメリカのロック・ファンからも支持されています。彼の歌詞にはダークな要素が多いからです。殺人や罪について歌ったり、ネイティブ・アメリカンの歴史をテーマにしたり、刑務所でライブをすることもありました。また、いつも黒い服を着ることから、Man in Black としても知られています。

ジョニー・キャッシュは他のロックスターのようにドラッグにも溺れました。その最も悲惨な時期は、ホアキン・フェニックス主演で映画化もされています。ちなみにその伝記映画「ウォーク・ザ・ライン」を手がけたジェームズ・マンゴールドは「ウルヴァリン:SAMURAI」と「ローガン」の監督でもあります。

ジョニー・キャッシュはエルビスと同世代です。キャッシュは32年生まれで、エルビスは35年。しかし、42歳の若さで他界したエルビスとは対照的に、キャッシュは長生きをしています。そのため、当然浮き沈みもありましたが、彼のキャリアは長く、なかでも90年代は創作活動が再び活発になった時期として知られています。

今回ご紹介する Hurt という曲は、94年から続いている American Recording というシリーズの4作目である American IV: The Man Comes Around (2002)というアルバムに収録されている曲です。

これはナイン・インチ・ネイルズのカバー曲です。もともとはトレント・レズナーがデプレッションや孤独や後悔について歌った曲ですが、ドラッグ中毒者の曲と見ることもできます。クスリをやめたくてもやめられない。愛する人にも迷惑をかけている。そんな苦悩の歌です。

そんな歌を、年老いたジョニー・キャッシュがディープな声で歌うから、原曲にはない重みが出るのです。マーク・ロマネクによって監督された MV をこちらです。

トレント・レズナーはこのビデオを見て泣いたそうです。私も初めて見たときは鳥肌がたちました。今にも死を迎えそうな老人が、よろよろと人生を振り返っている映像はとてもパワフルです。これはジョニー・キャッシュ本人であり、この映像が撮影された7ヶ月後に亡くなっています。彼の隣にいる女性は、妻であるジューン・カーターです。

集中して聞けば、この曲のリリックをほとんど聞き取れるはずなので、リスニングしてみてください。歌詞とその意味はここでチェックできます。

ジョニー・キャッシュに興味がある方は、Hurt が収録されている American IV: The Man Comes Around からチェックすることをお勧めます。カバー曲が多いのでカントリーっぽさが薄く、聴きやすいと思います。また、タイトルになっている The Man Comes Around はザック・スナイダー版「ドーン・オブ・ザ・デッド」のオープニングに流れる曲としても有名です。

ジョニー・キャッシュの声は聞き取りやすいので、英語のリスニングの練習にも適しています。ぜひチャレンジしてみてください。

Category:コラム:オーパス通信,リスニング,映像

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